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- よくある質問
最近眠れないのですが、私でもできる改善方法はありますか?
はい。いくつかの方法があります。このところ暑い日が続いていますが、夜間温度が上がることによって人は寝苦しさを感じます。睡眠はとても大切なもので、次の日の活動に大きな影響をおよぼします。必要な睡眠時間は人それぞれで、季節によっても変化しますので睡眠時間だけにこだわる必要はありません。生活習慣を少し変えることによって、不眠症状が改善されることもありますので、ぜひお試しいただければと思います。
- 入浴はぬるめにしましょう。
- 就床数時間前のカフェイン摂取、喫煙は控えましょう。
- 寝酒は控えましょう。
- 眠くなってから床に就くようにしてください。
- 寝る前に考え事はしないようにしましょう。
- 毎朝同じ時間に起床するように心がけましょう。
- 朝起きたらカーテンを開け日光を取り込みましょう。
- 規則正しい食生活を心がけましょう。
- 適度な運動を心がけましょう。
- もしも昼寝をするときはおやつ前までに、15分程度にしましょう。
不眠症のなかには心臓疾患、高血圧、ストレスによる精神科疾患など特定の病気が原因で起こる不眠症もありますので、その場合は原因となる病気の治療が必要となります。不眠でお困りであれば、ぜひ一度心療内科にご相談ください。
心療内科や精神科で処方される漢方薬について簡単に教えてください。
はい。最近、当クリニックでも患者さんとお話をうかがわせていただくなかで、漢方薬に対するご質問が多くなり皆さんの関心の高さを感じております。
漢方薬は複数の生薬(薬効成分を含んだ植物、鉱物、動物由来のものなどを乾燥させたり、加工したもの)を組み合わせて作られます。主な生薬には、生姜(ショウガの根)、桂皮(ケイの樹皮)、芍薬(シャクヤクの根)、厚朴(ホウノキの樹皮)などがあります。漢方薬は新陳代謝を促すことで人間が本来持っている元気になろうとする力を助けます。
心療内科、精神科の分野では不安感、不眠、動悸、めまい、冷え性、更年期障害などの方にお使いいただいております。ちょっと具合が悪い、気分がすぐれないといった西洋医学では病気とみなされないような場合でも、対応できるかもしれません。慢性的な病気でも服薬後1ヶ月前よりで徐々によくなっていき、2~3ヶ月続ければ、体調の改善を実感する場合もあります。
些細なことでも生活になにかしらのご不安があれば、ぜひ一度心療内科、精神科にご相談ください。
不安神経症(全般性不安障害)とはどんな病気ですか?
不安は漠然とした恐れの感情で、私たち誰もが経験するものですが、不安神経症(全般性不安障害)でははっきりした理由がないのに不安が起こり、それが長期間続いて日常生活にも支障をきたします。
日常におけるなんらかの精神的なショック、悩み、心配事、ストレスなどの精神的な原因ばかりでなく、睡眠不足、過労、風邪など身体的な要因でも発症することがあります。私たちが感じる日常生活のさまざまなストレスにより、いつのまにか発症することもあります。
症状としては、慢性的な不安、緊張、過敏、集中ができないなどの精神症状と、筋肉の緊張、首・肩などのこり、倦怠感、頭痛・頭重感、動悸、息切れ、不眠など多様な身体症状(不定愁訴)がみられます。
多くの患者さんは身体症状の方を強く自覚するため、あちこちの病院で診察や検査を受けますが、原因となる身体疾患はみられません。経過は慢性的なことが多く、日常生活のさまざまなストレスでよくなったり、悪くなったりします。
また、途中からうつ状態に移行することがあるので、内科などで診察や検査を受け異常がないとわかった場合は一度心療内科へご相談ください。
社会不安障害(SAD:Social Anxiety Disorder)という病気について教えてください。
はい。社会不安障害は人前で話をすることや、家族、友人以外と会うことに苦痛を感じ不安感や緊張感が強くなってしまう障害です。強い恐怖感をともなうこともあります。赤面し動悸がしたり手足や声が震えたり、下痢や腹痛が起こることもあります。そのため、人に会うことを避け、学校や仕事に行くことも困難になり引きこもりの原因にもなります。以前は対人緊張症や対人恐怖症とも言われていました。
治療として意欲を高める抗うつ作用と不安を軽減させる作用を併せ持つSSR(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、抗不安薬などの薬物療法や恐怖を感じる状況に立ち向かえるように医師やカウンセラーと取り組む精神的な治療法(精神療法)の一つである認知行動療法があります。家族の病気に対する理解、支えも重要なことです。この病気で悩んでいる人は自分の病気を理解してもらいたいのです。話を聞いてあげることやできないことを無理に勧めたりしないことが必要です。症状が軽いと性格的なことだから治療が必要ないと思いがちですが、些細なことでも生活になにかしらのお困りがあればぜひ一度心療内科、精神科にご相談ください。
最近、体調がすぐれないので内科を受診したら、自律神経失調症ではないかと言われたのですが、どんな病気ですか?
自律神経失調症とは、よく使われる病名ですが、確立した疾患や診断基準があるわけではありません。自律神経系の症状があっても、一般的な疾患概念にあてはまらない場合、この病名をつけることがあります。
自律神経系の症状とは、頭痛・肩こり・めまい・耳鳴り・立ちくらみ・全身倦怠感・動悸・胸苦しさ・しびれ・口渇・上腹部不快感・吐き気・嘔吐・腹痛・下痢・便秘・食欲不振・頻尿・冷え・多汗などの症状です。自律神経系の症状は、心理社会的ストレスの影響を受けやすいことや、原因不明の愁訴があることから、心療内科を受診する患者さんが多くみられるようになりました。
主な原因として
- 生活のリズムの乱れ(夜ふかし、夜型人間・夜勤勤務など)、人体のリズムを無視した社会環境やライフスタイル
- 過度なストレス(仕事などの社会的ストレス、人間関係など精神的ストレス)
- ストレスに脆弱な体質・性格(子どものころからすぐに吐く、下痢しやすい、環境が変わると眠れなくなる。周りの評価を気にしすぎてしまう。人と人間関係を結ぶのが苦手である。)
- 環境の変化(社会環境の変化、人間関係・仕事などの環境変化などへの不適応や過剰適応)
- 女性ホルモンの影響(ホルモンバランスが変化し続け、この変化が自律神経の働きに影響を与える。妊娠、出産など)
があげられます。
きちんと症状を理解したうえで、自分なりの対処法を身につけることが大切です。日常生活に支障を感じられたら、一度心療内科にご相談ください。
最近、仕事や子育てなどのストレスでイライラしたり、気分が沈んだり、疲労感が続いています。友人が気分転換したらどうかとアドバイスしてくれたのですが、何をしたらいいか思いつきません。具体的に何をしたらいいのでしょうか。
気分転換は精神的な疲労を軽減させ、心の元気を取り戻すことができます。毎日同じ生活を続けるなかで思考のマンネリ化が起こり、徐々に疲労がたまっていきます。そのため、いつもの生活パターンに少しだけでも良いので、なにか新しい行動を取り入れるようにしたらどうでしょうか。特別な準備や難しく考える必要はありません。
具体的には
- 窓を開け空気を入れ替える。
- 深呼吸をする。
- マッサージやストレッチをする。
- ラジオ体操をする。
- 数分間、目を閉じて瞑想する。
- ガムを噛む。
- コーヒーや紅茶を飲む。
- 甘いものを食べる。
- 散歩をする。
- 映画を観に行く。
- 読書をする。
- 音楽を聴く。
- 友人と会話する。
- お風呂にゆっくり入る。
- 掃除をする。
- 部屋の模様替えをする。
- 散髪をする。
- 自転車に乗る。
- 写真を撮る、アルバムを整理する。
- 夜に星空を眺める。
- 美味しいものを食べに出かける。
- 植物を育ててみる。
- ツボを押してみる。
- アロマを利用する。
- 旅行の計画を立てる。
などがあります。少しの時間でも良いのでぜひお試しください。
このように、些細なことでも生活になにかしらのご不安があればぜひ一度心療内科、精神科にご相談ください。
最近、仕事やプライベートでいろいろとあって不安感や緊張感が続いています。薬以外で何か役立つ不安への対処法はありませんか。
はい。毎日の生活で経験する多くのことはその人の感情に影響することが多いと思います。当クリニックでも患者さんとお話をうかがわせていただくなかで、このところの急激な早朝や深夜の寒さなど気候的変化も加わって不安感をメインで受診される方が多いように感じております。
これは一つのご提案ですが、その不安を全てなくそうとするのではなく、この感情(不安感や緊張感)を少し受け入れてみて、ほどほどになればいいなと肩の力を抜いてみませんか。両肩を後方にそらし息を吐きながらグーッと肩をいからせるように力を入れそれからゆっくり息を吐きながら力を抜いてみてください。自分の不安症状にとらわれていると、さらに自覚症状を強めてしまい悪循環に陥ってしまいがちです。
そのようなときには意識的に他のことに注意を向けてみませんか。不安感はたいていの場合、15分から30分ぐらいでピークが過ぎると言われていますので、その間に何か集中できることがあると良いと思います。ご自身の考え方で完璧を求めすぎていませんか。ある程度まで努力したらこのぐらいでいいやと思えるようになれれば良いですね。
些細なことでも生活になにかしらのご不安があれば、ぜひ一度心療内科、精神科にご相談ください。
最近、長年勤めた会社で部署異動することになったのですが、しばらくしてから眠れなくなったり、気分が沈んだり、疲労感が続いています。仕事でのミスも続き、上司や同僚からも心配されているのですがどうしたらいいのでしょうか?
毎年3月から4月にかけては新しい生活がスタートする時期ですが、この環境変化(新しい土地や学校、職場に移ることや部署異動、昇進など)がストレスとなり、心の変調をきたすことがあります。この状態を適応障害と言います。同じ環境でもそれがストレスになるかどうかは個人差が大きく、両親やパートナー、会社の上司や学校の先生などに理解されにくい一因になっています。
症状としては抑うつ気分、イライラ、不安、不眠、全身倦怠感、集中力低下、頭痛、吐き気などがしばらく続くようになります。通常は6ヶ月以内でよくなりますが、環境要因が改善しないときはさらに長引くことがあります。
問題となっていることを自分だけで抱え込まず他人に相談することやオンオフの切り替えをうまくすることです。問題が起こったことを絶えず引きずり、考え続けることは病状を悪化させます。いろいろとやってみてもうまくいかなければ環境を変えることも必要になってきます。今すぐでなくともあとこのプロジェクトが終わるまで、あと半年、この年度いっぱいまで頑張るなど期間を設定することも有効だと思います。
このように、些細なことでも生活になにかしらのご不安があれば、ぜひ一度心療内科、精神科にご相談ください。
最近、車を運転中にトンネルや高速道路で突然息苦しくなったり、動悸がしたりで不安なのですが、どのような病気ですか。良くなるのでしょうか。
はい。不安障害カテゴリー内でのパニック障害だと思います。パニック障害は強い不安感、動悸、過呼吸、発汗、視野が狭くなるなどの症状を特徴とします。エレベーター、電車やバスのなか、就寝時に突然起こることもあります。スポーツをされているような比較的元気な方でも起こります。
治療方法としてSSRI(抗うつ薬の一種)、抗不安薬による薬物療法や、不安感が強くなったときのために自分に合った対応方法を見つけることで症状は改善されます。また、苦しくなったときは、襟を緩める、室内着に着替える、外の景色に意識を集中させる、ゆっくりとした腹式呼吸を心がける、何かにつかまる、壁など固く安定したものに背中や側腹部を押しあてる、そばに家族や友人など親しい人がいれば手を握ってもらう、背中をさすってもらうなどの対処法も取り入れてみましょう。
些細なことでも生活になにかしらのご不安があれば、ぜひ一度心療内科、精神科にご相談ください。
最近、適応障害と言う言葉を耳にすることがありますが、どんな病気ですか?
誰しもが新しい環境に慣れて、社会適応するためには、多かれ少なかれ苦労をしたり、いろいろ工夫や選択をする必要にせまられることはよくあることです。それがうまくいかなくなった場合には、会社では職場不適応、学校では不登校、家庭では別居あるいは離婚などといった形にあらわれます。
適応障害とはストレス因子により、日常生活や社会生活、職業・学業的機能において著しい障害がおき、一般的な社会生活ができなくなるストレス障害の一つです。
急性ストレス障害、PTSD(心的外傷後ストレス障害)と同様に外的ストレスが要因となって起こるストレス障害の一つです。急性ストレス障害、PTSDで見られるような、生死に関わる強大なストレスに限らず、家庭関係や仕事のトラブル、パワーハラスメントなどもストレス因子の一つになります。ストレス量が本人の処理能力を圧倒してきたことで起こります。
症状として、不安、抑うつ、焦燥、過敏など情緒的な症状のほかに、不眠、食欲不振、全身倦怠感、頭痛、吐き気などの身体的症状が自覚症状としてあらわれます。身体症状のみ訴える場合、検査では確認できないため、精神科・心療内科以外の病院では見のがされがちです。そのため、はっきり確認できる大きなストレスおよび継続的、反復的にかかり続けるストレスが原因であり、そのストレスを受けてから3ヶ月以内に情緒面、行動面の症状で、日常生活に支障をきたしたら、一度心療内科にご相談ください。
最近、夫が1ヶ月前よりひどく落ち込んでいて辛そうで心配しています。
うつ病なのではないかと思うのですが、この病気について教えてください。
はい。男女差はありますが、うつ病は最近増えている病気です。症状としては午前中に多く出現する「憂うつ」「悲しい」「落ち込んでいる」などの抑うつ気分、これまで楽しんでいた趣味や活動に興味をなくすこと、食欲の減少や増加、睡眠障害、疲れやすさ、集中力の低下による記憶力の悪さ、また身体症状として発汗、頭痛、胃の不快感、下痢、便秘などが認められます。
治療として意欲を高める抗うつ薬、不安を軽減させる抗不安薬、睡眠薬の服用や休養を取ること、場合によっては会社、学校などによるサポートや心に余裕を持ってもらう心理的治療も必要なことがあります。家族の病気に対する理解、支えも重要なことです。いつもと明らかに違う状態であっても本人が気づかない場合や助けを求めずさらに頑張ってしまうケースがあります。症状が軽いと治療が必要ないと思いがちですが、些細なことでも生活になにかしらのお困りがあれば、ぜひ一度心療内科、精神科にご相談ください。